【歴史に学べ!】今読むべき小説は、アルベール・カミュの「ペスト」で決まり!!

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Bonjour(ボンジュール),
C’est Monsieur A(セ ムシュー ア).

 

 

1947年に発売されたアルベール・カミュの「ペスト」が現在話題の1冊となっています。彼の処女作である「異邦人」も有名ですが、この「ペスト」を是非今読んでいただきたいと思い今回は紹介させて頂きます。現在と重なり合う状況がこの小説の中にはあり、特に「ロックダウンが発動されると人々はどうなるのか!?」について書かれているのです。2011年に起こった東日本大震災の際も、この小説は結構話題になっていたみたいです。

 

 

元々はカミュが生まれた国仏領アルジェリアのオラン市にペストが蔓延し、都市封鎖(ロックダウン)が行われました。現在のこの状況を予言したような作品となっています。ペストは、細菌、コロナウイルスはウイルスと言う違いはあります。ペストは、ネズミから蔓延しました。ネズミがばら撒いた細菌がノミに移り、ノミから人間に感染していきます。ペスト菌は、2020年になった今でも存在しているのです。天然痘に関しては、完全に根絶できているようです。

 

現在との類似点、政府の対応遅れ。ペストは、戦争の数程起きている。しかし、いつだってペストや戦争が起こっても人間は無力です。戦争も感染症も何年も前から予測できるものはありません。リンパ腺をやられて死んでいく人がどんどん増えていく。小説の序盤でロックダウンが政府により発動されます。毎日の死者の状況がメディアで伝えられます。最初は、週単位の死者の報告から始まり、日単位の報告へ変わっていきます。そして、人々は食糧の買い占めをします。観光産業で持っているオラン市も大打撃を受けます。生活が苦しくなっていく人々は、不満がたまっていきます。そして、暴動が起きます。病院の部屋が足りなくなり、人間はどのような対応をとっていくのか、まさに現在の状況と類似しています。

 

登場人物のひとりであるパリ出身の新聞記者ランベールがオラン市で仕事をしていました。しかし、ロックダウンされた街から本国フランス・パリに帰ろうと医者や役所へ掛け合います。しかし、拒否されます。司祭であるパヌルは、なぜペストが流行したのかを訴え始めます。「誰かが開発したものが漏れたのではないか?」「これは人災なのか?」と。まるでコロナはアメリカの仕業でないかと言うように…。

 

小市民であるグランは、目立った功績をあげることができず、居場所を探していました。ペストにより、纏め役という自分の居場所を見つけます。マイナス要素が多い中で、プラス要素も対照的に描かれています。オラン氏に残された新聞記者であるランベールは、密売人であるコタールに出会います。どうしてもランベールは、パリに帰りたいと思い、様々な方法を模索します。警察も忙しいので、密売人であるコタールを捕まえる時間もありません。コタールは、現在でもマスクやトイレットペーパーを買い占めている人がいるように、密売をします。ランベールに頼まれたコタールは、門番に話をつけ買収しようと試みるのです。しかし、上手くいきません。密売人のコタールは、ペストでみんなが怯えているのが嬉しいのです。なぜなら、コタールはいつも捕まることを恐れていたから、みんなが怯えることで自分一人が怯えている訳ではないことに居心地がよくなります。

 

地震であれば、一度に崩壊しますが、ペストは長期的に人々を苦しめます。当初は、2週間、3週間で終わると思っていたものが、どんどん長引くことに人は疲労困憊に陥ります。オラン市からパリへ帰りたいランベールは、とうとう一人だけ逃げることを諦めます。一人だけが幸福になることはダメではないかと考え始めるのです。

 

医者の使命を貫きたいリウーは、人々が死んでいく様を見て苦しみます。そして、司祭であるパヌルーに相談します。神による罰ではないかと答えます。疲労困憊していく市民への演説では、神による罰と言ったこと否定します。信じていたものが意味づけられなくなります。そして、パヌルーもペストにかかってしまい、治療を拒否し、亡くなってしまいます。神とはなんなのか考えさせられます。

 

 

ネタバレになってしますのこの辺りで終わっときます。コロナウイルスにて苦しめられている現況を鑑みると過去になにか学べるヒントはあるのではないかと思いカミュのペストを読んでみました。戦後に書かれた小説ですが、今との類似点が多く不安を少しでも軽減できるのではないかと記事にしてみました。個人的に読んだ感想を纏めた記事ですので解釈が異なるところがあればすみません。是非自宅で時間がある方は一読してみる価値はあると思います!!

 

 

 

 

 

 

 

 

では、良いフランスライフを!!
A la prochaine 🙂

 

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